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ファッションとメンタルと4毒抜き

あのときのこと。東日本大震災 【第9話】記憶 【最終回】

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前回のつづき。




家が建った。季節的にもちょうど新生活のはじまりって感じだった。

でもあたしはここに住まない。

どうしても海外に行きたくて、海外にコネクションがある東京の専門学校に行くことにした。

でも母は私と妹のために部屋を作って、帰るところを作ってくれた。

その部屋は前の家から持ち出した妹の古いゲーム機や漫画の置き場所になってる。



上京する前に福島市から引っ越すことになったのでいちおう数週間はその新しい家で過ごした。

昔、自分の家が和風の古い家だったのが嫌で、少女漫画の主人公が住んでるみたいな、洋風の、どこにでもあるような家に憧れてた。

でもまさかこんな形で叶うなんて思わなかった。

特別嬉しい気持ちは湧いてこない。



家が建ったタイミングでばーちゃんも新しい家に住むことになった。

ばーちゃんはそれまで父親の妹の家でお世話になっていて、会う機会がなかったから会うのは約4年ぶりである。

じーちゃんは確かそのとき怪我して施設に行くことになったんだっけ。やばい…ちゃんと覚えてない。


そして間もなく私は上京するために家を出て行った。





それから1年後

妹が帰省するっていうんで、私も帰省した。



みんなで回転すしに行った。

たしか母は仕事だったから、私と妹と父とばーちゃん4人で。

私が車を運転することになると、ばーちゃんは私が運転するのかととても驚いてた。

ばーちゃんのなかで私は永遠に子供らしい。

ばーちゃんは外食にいかない人だったから、実はばーちゃんと一緒に外食するのはこれが人生初めてだった。

長女の家でお世話になってるとき、外食にも慣れたんだろう。


回転すしの帰りに前の家を見に行くことになった。


家の中のがれきはとっくの前にボランティアの方が協力してくれてがら空きだった。

2階への階段は、もう腐ってるかなと思ったけど、まだ登れた。

ギシギシ言ってたけど。


2階のベランダから。
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もとから何もないとこだったけど、ほんとに何もないなって思った。

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ばーちゃんと、妹。



次に海に行った。

海へは途中までしか行けなかった。

ここは小学生のとき夏休みの間、ラジオ体操をしに毎朝通ったとこ。
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もともと更地だったけど、さらに更地になった。



家はしばらくしてから取り壊された。






人の記憶ってすごいなって思う。

5月になったら青臭い草の匂いと、土の臭い匂いをちゃんと思い出す。

夏の海のキラキラも。

秋の稲の匂いも。


稲刈りの時期になるともみ殻の山に突っ込んで、もみ殻だらけになるむーちゃんを妹と爆笑したっけな





むーちゃん、あの日こわかったね。


小さいころ海でみつけた小さくて茶色いふわふわを、どきどきしながら抱っこした。

自転車のかごにのせて、ばーちゃんと妹と家に持ち帰った

一生懸命面倒見るって誓ったのに

結局、世話はじーちゃんとばーちゃんがやっててさ。


あまりいい飼い主じゃなかったね

最後に怖がってるむーちゃんを抱きしめてあげれてよかったよ



あたしはまだしばらくはそっちには行けないけど、それまではじーちゃんとばーちゃんといい子にしててね


また一緒に遊ぼうね





おわり





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なんか唐突に書き出したらこんなに長くなってしまいました…

次回からまた普通の趣味ブログに戻ります


お付き合いいただきありがとうございました<(_ _)>


【1話から↓】